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『美しい人』・・・9人の女性の人生を、一瞬盗み見るような。

美しい人 デラックス版『美しい人 9lives』 ロドリゴ・ガルシア(2005)
2008年5月27日鑑賞


9人の女性の人生の、ひと時を描いた作品。小説でいえば短編集。1話10分程度という短さから、彼女たちの抱える想いの背景や状況は、見る者が推し量るしかないのだけれど、しかし彼女たちはそれぞれ痛みを抱えていることはわかる。

私は、小説は短編集よりも長編のほうが好きだ。それはたぶん、長編のほうが作品のもつ世界観に浸れ、登場人物の状況もよく理解できるから。本にしても映画にしても、読んでいる観ている瞬間、別の次元に入っていける、そういうところが好きなのだ(だから本を読んでいるときに話しかけられても、生返事のことが多い)。そういう意味では、オムニバス形式の本作には、そこまで浸れなかった。どちらかというと、彼女たちの人生のひとときを盗み見たような印象。客観的第3者の立場から。そしてどこか、不完全燃焼感が残る。消化不良感というか。

だけど、いろいろな人生があり、みんな色々な想いを抱えて生きている。そういうことはうまく描かれているなと感じる。よくできたCMを見たような印象を持ちました(ほら、最近のCMってストーリー仕立てであることが多いじゃない?)。

by yebypawkawoo | 2008-05-28 00:45 | ◆映画のこと  

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