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『地上5センチの恋心』・・・こんな母は、いいと思う。

地上5センチの恋心 [DVD]『地上5センチの恋心』 エリック=エマニュエル・シュミット(2006)
2009年1月25日鑑賞


フランスっぽいなぁと思った。

フランスの映画って、演出がなんだかわざとらしく、それでいてかわいらしい印象を持っている。『世界で一番不運で幸せな私』とかもそう。この作品では、主人公オデット(カトリーヌ・フロ)の恋心の表現、邦題そのままのふわふわ地上から浮いてしまう描写なんかが、わかりやすく私の中でのフランスっぽさだ。

そして、もちろん恋愛。
アルベール・デュポンテルの演じる、人気作家バルタザール・バルザンは、恋愛(というか性愛?)への対峙の仕方が良くも悪くもあぁフランスという感じだったのだけど、そこでほっとさせるのがカトリーヌ・フロの演技と役柄。穏やかにたおやかに、ファンとしてのミーハー心を忘れず、バルザンに向き合う。うきうきしながらも、けれど芯は崩さない。そこがいい。自分の子どもにも好きな人にも、柵を乗り越えすぎない(おしつけがましくない)主観でもってつきあっている。私も、飄々とのらりくらりと、柳のようなたおやかさでもって様々かわしながら、けれどしっかり根は張っている、という風に生きたいなと、ふと思う。

そういえば、本作と前述の『世界で一番不運で幸せな私』には共通点があることに気づく。(
共に、フランス・ベルギー両国で製作されているという点もそうだが)ラストシーンの描き方、ラストで2通りの解釈を許しているという点だ。この手法も、なんだかフランスっぽい、と思ってしまう。だけど本作、どちらの解釈をとろうとも、フランスらしからぬハッピーエンドではないか。このほっとさせる演出が、またうまい。

※以上、フランス映画への偏見でもってお送りしました。

by yebypawkawoo | 2009-02-07 02:13 | ◆映画のこと  

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