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『不完全なふたり』・・・夫婦のより良いあり方は、まだ私にはわからない。

不完全なふたり『不完全なふたり』 諏訪敦彦(2005)
2008年5月15日鑑賞


何か、ひどく悲しく苦しい映画だった。
15年連れ添った夫婦、離婚の話も持ち上がり、でも本当に別れていいの?別れたいの?それが本人たちにもわからない。その中で静かにののしりあい、静かに喧嘩をし、最終的には・・・という話。

長く一緒にいると、どうしたってこういう風になってしまうのでしょうか?お互いが互いをよく知っている(あるいはそう過信している)がゆえに、本当の本音をさらけ出せず、意地の張り合いのようになっている部分もあり、ひねくれてしまう心もあり。すごく痛かった、私には。どうしてわかってくれないの?察してくれないの、気づいてほしい、本当は違う、でもうまくいえない、そういう妻マリーの心が見えるようだった。

ひどく現実的、でも私は長く一緒にいたってこういう風にはなりたくない、そう感じてしまった。もっと、気持ちのよい素敵な夫婦のあり方ってないのだろうか?

映画自体は、とてもとても静か。余計な音楽がない。映像の動きもない。静止した画面、音。室内描写の暗い画面が多い。それゆえ、その静かさゆえ、癖のある映画だと思う。けれど、私は何かしら心惹かれるもののある映画だった。
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by yebypawkawoo | 2008-05-15 09:57 | ◆映画のこと  

『アメリ』・・・やっぱり女の子は現実的なのかしらん?

『アメリ』-ジャン=ピエール・ジュネ(2001)
2008年4月15日鑑賞

アメリ

このあいだ、クレーム・ブリュレを食べたんです。その時、猛烈に見たくなった『アメリ』。2度目の鑑賞。でも、面白かった。

オドレイ・トトゥ演じるアメリの妄想が、すごくわかる。あの感じ。あるあるって頷いちゃう。ジャン=ピエール・ジュネは男性なのに、あの女の子の感じがよく表わせたなぁと感心してしまう。『恋愛睡眠のすすめ』も、同じように妄想癖のある男の子の話だけど、女の子と男の子の違いがよく表れてる気がする。

後者での、ガエル演じるステファンの妄想は、何ていうかやっぱりどこか即物的なのよね。セックスとか。自分の気持のよい世界へまっしぐらな感じ。さえない現実を受けて、そこから逃避するための…というように私には見えた。対する、アメリ。彼女はもっと、感覚的な雰囲気。現実を受けて、それを踏まえた上での妄想、空想。でもきちんと現実にリンクしてる。やはり、女子のほうが現実的なのか?

それから、やっぱりこの映画はかわいいよね。創り方とか見せ方が。最初に、いろんな人の好きなものを羅列していくとことか、最後のおしまいの部分、アメリと男の子の自転車シーンとか。アメリの部屋の色彩とかね。そういう部分、女心がくすぐられます。それだけじゃなくって、妙にリアルな出産エピソードとか、妙に真剣ないたずらとか、そういうユーモアも良い。

さて、もいちどクレーム・ブリュレ、食べに行きますか(だって私も好きなんだもん、あのぱりぱりの飴の部分)。
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by yebypawkawoo | 2008-04-16 01:00 | ◆映画のこと  

『エリザベスタウン』・・・人生捨てるのは、早いよね、たぶん。

『エリザベスタウン』 キャメロン・クロウ(2005)
2008年4月5日鑑賞

エリザベスタウン スペシャル・コレクターズ・エディション
この映画、わたしは結構好き。最後までずっと面白く見れた。音楽もよい。

キルスティン・ダンストはかわいいなぁ。私はああいう、目が細い女の子が好き。そして、彼女の演じた女の子クレアも、かなり好み。どこか自分の人生を達観している感じとか、それでいて少し破天荒なところとか。こんな感じに生きたいなって。
オーランド・ブルームと深夜に長電話するシーンがあるのだけど、そこで交わされる会話の内容、雰囲気とかも良いし、二人が惹かれていく感じもかなり私好み。

そして、お母さんの告別式でのスピーチで、なぜか私は泣きそうになりました。
悲しさのなかにも必ずある物事のおかしさというか。人としてのどうしようもない感情というか。そういうものが表れていた。たとえば、お葬式で泣かない親族を見て、薄情だ、という人があるかもしれないけれど、泣くことだけが悲しみの表現ではないはずだ。そういう話をつい先日知人としたのだけども。まさにそうだと思う。そういうシーンだと思った。

この映画に出てくる人物たちは、それぞれ辛いこととか悲しいこととかを抱えてても、それを人に愚痴るとか相談するではなく、自分なりの解決策とか逃れる (いい意味でも悪い意味でも)方法とか、思い通りに進める方法を、自分で考え自分で実行しようとする。その感じが、なんかすごくわかるなあって思ったのでした。うん、面白かった。
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by yebypawkawoo | 2008-04-05 11:55 | ◆映画のこと  

『バッド・エデュケーション』・・・屈折した愛を描くのがうまいなぁと。

『バッド・エデュケーション』 ペデロ・アルモドヴァル
2008年3月*日鑑賞

バッド・エデュケーション
アルモドヴァルの映画って、やっぱり好きだなぁと思いました。
劇中劇の挿入の仕方も見ていてつながっていく感じが面白いし、人の感情の動きみたいな部分で共感してしまうところが多い。何かある、何かあるんだけどあえて説明しきらない感じ、というか。いずれも、根底には言葉や論理では説明しきれない、人間くささがあると思う。

本作も、面白く見れた。男性同士の恋愛が随所に出てくるのだけど、異色なのがガエル演じるフアン。彼は、“あえて”男性に身を任せていた節がある。兄、イグナシオへの屈折した想いがそうさせたんじゃないかなんて感じる。

エンリケを想い続けたイグナシオ、あるきっかけでイグナシオが思い出から蘇り感傷的に愛を思い出したエンリケ、かつてはイグナシオを今はフアンをただひたすら盲目的に愛したマノロ神父、兄・イグナシオへの屈折した想いからか自らの生活のためにマノロ神父やエンリケに体を差し出すフアン。いずれも全うにいかない、けれど純粋な愛なんだなと思う。そしてその愛を根底に人間ならやっちゃうよねというような欲望とか嫌らしい面とかも顔をのぞかせてる。

話変わって、子ども時代のイグナシオの歌声は圧巻。そりゃ、神父さんも神にそむいて好きになっちゃうよね、顔も美しいし、なんても思いました。
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by yebypawkawoo | 2008-04-02 16:09 | ◆映画のこと  

『トーク・トゥ・ハー』・・・孤独から逃れるための生き方について

『トーク・トゥ・ハー』 ペデロ・アルモドヴァル(2002)
2008年3月30日鑑賞

トーク・トゥ・ハー スタンダード・エディション
アルモドヴァル作品は割と好きなんです。
でも、本作は見たことなくて、見たいという友人に便乗して鑑賞。

昏睡状態に陥ったダンサー、アリシアと、彼女を異常ともいえるほどの純愛で見つめ続け、看病する男ベニグノ。昏睡状態に陥った女性闘牛士、リディアと、彼女と愛し合っていたはずの男、マルコ。この2ペアを軸としつつも、話はベニグノとマルコの友情の描写、そして彼らの孤独の対比ですすんでいく。

そう、私は、この作品のテーマは「孤独」なのではないかと感じた。
確かに、ベニグノのやったことは罪といえるだろうし、気持悪いと思う。いや、ホント気持ち悪い。けれど、そこにはまぎれもない純愛がある。それを盲目的に貫き続けたすごさがある。神々しいとさえ思う。その根底には、彼の抱えざるを得なかった、圧倒的な孤独がある。

そして、そんなベニグノとの友情をもったマルコもまた、孤独を知っている。愛する人を愛するがゆえに手放し、想い続けた10年間。そこから救われたと思ったら、また思いもかけぬ瞬間に、孤独へと突き落される。

人は一人では生きていけない、とはよく言う話で、けれど、その一人を支える何かがあれば、つまり孤独でなければ、どうにかなんとか生きていけるのではないかという気がする。一方で、どんなに大勢に人に囲まれていたとしても、自分が孤独であると思ってしまえば、生きていくのは苦しくなる。孤独か否かなんてのはひどく主観的な世界の話で、思い込みでありさえする。でも、本人にとっての、それは真実。そして絶対。
わたしは、私の周りの人には、私の好きな人たちには、その人のことをたとえ理解しきれなかったとしても、側にはきっといるのだということを伝えたいと思った。もし、孤独に嵌ったとしても、そこから出てこれるように。

罪なのか、愛なのか。本作に関してはこの議論をよく聞く。
罪だけど、愛なのだと思う。誰にとっての真実なのか、という話だけだと思う。
どれが本当かなんて、そんなのどれも本当なのだ。

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by yebypawkawoo | 2008-03-30 21:23 | ◆映画のこと  

『潜水服は蝶の夢を見る』・・・やっぱ人生、ユーモアがなくっちゃね。

『潜水服は蝶の夢を見る』 ジュリアン・シュナーベル(2007)
2008年3月20日鑑賞

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実は、半分マチュー・アマルリック見たさで、渋谷はシネマライズへ。
後部座席中央という、全くいい席を確保していざ鑑賞。

いや、いい映画でした。回想(妄想)シーンのマチューの格好よさをわきに置いておいても。すごーく心に残る最高の映画、とまではいかねども、うん、面白かった。見てよかった。

これは実話をもとにした話。ジャン=ドミニク・ボビーというELLEの元編集長が、左目しか動かなくなってしまうところから物語がスタートする。彼は、左目の瞬きだけで、1冊の本を書き上げるのだけれど。

身体の自由が利かない、お風呂も手伝ってもらわないと入れない、でも意識は、思考は、これまで通り正常に働く、という、プライドの高かったであろう彼にとっては非常に屈辱的な状況。でも、そんな状況にあっても、彼は想像力(妄想力とも言えるか?)で、実に人間くさく生き切るんです。自分に正直に。もう、自分を憐れむのはやめた、と決意した瞬間から。

すごいな面白いな、と思ったのは、たくましい想像力と現実との融合のシーン。そして、随所にあふれる人間くさーいユーモア。こんなに悲観的場面においても、感傷に浸るではなくユーモアで味付けしていく様は、さすがだなと思う。女性の胸や足を追うマチューの視線や、毒づく心うちなんか、笑ってしまう。でも、それが本質なんだなっても思う。

私も、たとえば悲観的状況にあったとしても、常にこういうユーモアは持っていたいなって、そう思いました。そういう風に生きたい。
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by yebypawkawoo | 2008-03-27 23:03 | ◆映画のこと