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『観光(Sightseeing)』・・・訪れられる側からの視点

『観光(Sightseeing)』 ラッタウット・ラープチャルーンサップ(早川書房)
2007年5月20日読了

観光(ハヤカワepiブック・プラネット) (ハヤカワepi ブック・プラネット)

タイ系アメリカ人の著者が、タイを舞台にした様々な日常生活を、タイ人の視点から書いた物語。

タイの情景が色鮮やかに目の前に広がって、観光客(裕福な日本人としての)の視点でしか見ることの出来ない私に、ある意味で訪れられる側からの視点を提供してくれる。その裏で巻き起こる数々の物語を、知る(知ったつもり)になることができる。そして南国のむわっとしたあの感じがよみがえる。

どこか懐かしく感じるのは、そんなに遠くない昔、日本もきっと同じような日常があったからで、それがいつの間にこんなところに来てしまったのか、それとも東京という超BIG CITYにいるから、その感覚がより顕著に明確になるのか、それも一部ではあるのだろうけれど、そう遠くない将来、タイやその他東南アジア諸国が、日本のようになってしまうのだとしたら、それは果てしなく悲しく切ないと、わたしは思う。

国際協力関係の職につく友人と、インドネシアを回る際にそのような話になり、国際協力が日本をコピーし量産するシステムなのだとしたら、私はそんなのは嫌だと、そういったところ、
―それは日本人のエゴだ。この国に住む彼らにしてみれば、もっと経済発展をと願っているし、もっと利便性の高い暮らしをしたいと願っているのだから―
と、彼はそうこたえたのだけど、そしてそれはよくわかる(いや、わかったつもりになっているだけかもしれないが)のだけれども、日本で平均イーブン、あるいはベターの暮らしはしているだろう、私の生活を鑑みた上でも、それでも私は思う。日本を量産するのは違うんじゃないの?と。経済発展が間違っているといっているわけではない。

南国はものすごく色鮮やかで、鮮烈で、まぶしい。次から次に押し寄せてくる感じ。その激しさをベースにしたやさしさに、安心する。
日本はもっと穏やかで、淡く繊細だ。
文化や生活には、その土地の気候が、大きくかかわっているのだと実感した。
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by yebypawkawoo | 2007-05-22 15:02 | ◆本のこと  

『ホノルル、ブラジル―熱帯作文集』

『ホノルル、ブラジル―熱帯作文集』 菅啓次郎(インスプリクト)
ホノルル、ブラジル―熱帯作文集

私はどへ行くにも、本を持ち歩いていて、
先日バリへ旅行に行った際もっていったのは、この本ともう一冊。

結局、旅先ではほとんど読むことはなかったのだけど、帰国する飛行機の中、バスの中、家に帰ってからも読みすすめていくにつれ、自分の経験とあいまって、そうそうと頷く、もとい、再認識させられる事がとても多く。

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 ・全体は誰にも見通せない。 逆にいうと、あらかじめ与えられた「美」を
  「これが美なんだ」と信じこむ人は、結局、美しさに出会えずに終わる。
  美はあくまでも自分の経験として発見されるもの、
  発見しなくてはならないものでしょう。旅先でも、日常生活でも。

 ・世界のほとんどすべての街は、ひとりの人間の生涯にとって、
  ただ名前としてはじまり、名前として終わる。
  イスタンブールもブラザビルも、ダッカもレイキャビクもテグシガルパも、
  あるいはカブールやエレサレムも、・・・。

 ・ある傘の下にいるかぎり、その傘の存在は疑いの対象にもならないし、
  するとそれが世界そのものみたいに思ってしまう。

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この本は、著者が
「たぶんこれまででもっともamiableな(愛想のいい)本になったと思う」
とかいているとおり、読みやすく、でも色んな情景が目に浮かんで。

帰ってきたばっかりなのに、またどこかへ行きたくなった。
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by yebypawkawoo | 2007-05-05 23:06 | ◆本のこと