『明日、君がいない』・・・自殺するとき、しないとき。

『明日、君がいない』 ムラーリ・K・タルリ(2006)
2008年4月25日鑑賞

明日、君がいない

これは、19歳の監督が撮った、実験的ともいえる作品。映画の撮り方が、面白かった。

話は、誰かが自殺した午後2時37分から始まる。
それから時は一気にその日の早朝にさかのぼり、時間を行ったり来たりしながら、その時刻、2時37分に向けて進んでいく。舞台はとある高校、登場人物はその高校の生徒たち。彼らそれぞれの視点でその一日が切り取られていく。高校生たちそれぞれの視点によって、同じ場面が別の角度から何度も繰り返される。彼らは、思春期特有の危うさと、若干重めの悩みを抱えていて、それゆえに誰が自殺してもおかしくないと思わせる。そして、彼らの視点をそれぞれ追っていった末の、意外な結末。

この結末をもってして、この映画は完成するのだと、そう思う。あぁうまいなあ、と私は思った。どんなに深刻で重たい悩みを抱えていても、彼女は彼は生きたんだなと思った。どんなに普通に見えていたって、死んでしまうこともあるんだよね、と思った。それはそのまま、学生時代の自分を思い起こさせる。真実はその本人にさえわからなかったりするが、それが人生なんだなという気がする。結局のところ、うまく自分で納得でき、理由づけできさえすればいいのだ、きっと。人生っていうものは。

19歳でこの映画をとった監督はすごい。逆に、19歳だからこそ撮れた映画なんじゃないか、そんな気もした。
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by yebypawkawoo | 2008-04-29 23:02 | ◆映画のこと  

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