『ブエノスアイレスの夜』・・・アルゼンチンの一つの歴史録

『ブエノスアイレスの夜』 フィト・バエス(2001)
2008年4月19日鑑賞

ブエノスアイレスの夜

最近、映画を見ていてよく思うのは、監督は(あるいは映画にかかわった人々は)、この映画で何を表現したかったのだろう、ということ。その中には、社会背景や歴史について多くの人に知ってほしいと、そういう意図を持つものも少なからずあるだろう。本作は、アルゼンチンで起こったある出来事を背景に書かれている。1976年の軍事クーデター。この事実を知らなかった私は、初見で本作をきちんと理解することはできなかった。が、それゆえ本作は、この歴史を知るきっかけとなった。

アルゼンチンでの軍人による恐怖政治と、強制連行・拷問・暴行などで被害を受けた、2万とも3万ともいわれている「行方不明者」達。本作は、この悲しい歴史を背景とした、一組の男女の悲しい物語である。

セシリア・ロス演じるカルメンと、ガエル・ガルシア・ベルナル演じるグスタボの二人の出会いから徐々に深まっていく関係と、その狭間狭間で明らかになっていく彼らの過去の描き方は、なかなかうまいのではないかと思う。あれこれ想像しながら見れるし(ただ、最初はよく理解できずちょっと寝てしまった・・・)。よかったのは、最後のセシリア・ロスの台詞。彼女の切なく悲しくやりきれない過去を、前向きに変えるいい言葉だな、と思った。そして、ガエル君は相変わらずセクシーで、笑顔はチャーミング。

ただ、音楽がなぁ。なんともいただけない感がありました。そこが残念であった。
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by yebypawkawoo | 2008-04-21 02:20 | ◆映画のこと  

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